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みんなちがって、みんないい。 金子みすゞ風に書きだしてみたのは、朝比奈あすか『温泉小説』(光文社)を読みながら、しきりにすごいなあ、すごいなあ、と感心してしまっている自分がいることに気づき、この感覚をどう表現していいか、と考えたからだ。
京都寺町三条のホームズ〈22〉美術補佐人(アート・アドバイザー)の誕生(望月麻衣、双葉文庫) 新本所おけら長屋〈三〉(畠山健二、祥伝社文庫)街とその不確かな壁〈上〉(村上春樹、新潮文庫)一次元の挿し木(松下龍之介、宝島社文庫) ...
2010年代にアメリカの政治哲学者マイケル・サンデルの『これからの「正義」の話をしよう』が日本で爆発的なブームとなった。それから10数年が経過し「正義について」語られることは少なくなった。それは、世の中から不正や不公正が是正されたか ...
パレスチナ問題(イスラエル・パレスチナ紛争)についての専門家は日本では多くないが、日本語でも多様な観点の議論に触れることができる。それは少なからず日本の翻訳文化によっている。専門家が無償かそれに近い形で重要な文献を翻訳する文化だ。
米国で何者かになろうと海を越えた青年、夫の海外転勤に合わせて渡米した女性、人生に詰んで海外へ拠点を移した男性──。異国の地で、不安定さや傷つきに揺れながらも、そのとき成しえる最良の力で人生にぶつかっていく。その語りに、若き日の宮地尚 ...
好書好日(こうしょこうじつ)は、ライフ&カルチャーを貪欲に楽しみたい人におくる、 人生を豊かにする本の情報サイトです。映画や美術、食などをもっと楽しむための本の紹介から、朝日新聞の読書面に掲載された書評まで、あなたと本の出会いをお手伝いします。
手に取ってまずしょうが焼きのページに目が留まった。千切りキャベツに紫キャベツが少々交じっている。こうすると見栄えはいいがビギナーには手間だなと思ったが、材料欄に「キャベツ……4枚(1枚は紫色のキャベツにするときれい)」と書かれていて ...
全12巻のアンソロジー『12か月の本』(国書刊行会)の刊行がスタートしました。『4月の本』には坂口安吾の小説「桜の森の満開の下」など、それぞれの月を題材にした小説・詩歌・随筆を集めています。季節感と言葉の美しさを詰め込んだこの本の成り ...
『「喜劇」の誕生 評伝・曾我廼家五郎(そがのやごろう)』(白水社)で第51回大佛(おさらぎ)次郎賞を受賞した日比野啓さん=写真=の記念講演会が、6月1日(日)午後2時から、横浜市中区本町1丁目の同市開港記念会館講堂で開かれます。講演のタイトルは「戦争 ...
不屈のヒーローが帰ってきた。故ディック・フランシスの〈競馬〉シリーズに登場し、冒険小説の新たな主人公像を打ち立てた元騎手の調査員シッド・ハレー。往年の翻訳ミステリファンから絶大な支持を得るキャラクターが、ディックの息子フェリックスの手によって蘇(よみがえ)ったのが(1)だ。娘が生まれ、調査員の仕事から離れると固く心に誓っていたハレーだったが、競馬レースの不正調査を依頼してきた人物の変死をきっかけに ...
「そうなんです。〈友達〉だと、不特定多数の中の一人って感じがするんですけど、〈友人〉だと、その子だけを指す感じがして。考えてみれば、そうやって、お互いの関係を言葉に落とし込んで確認し合うっていうのも言語化のよい作用かもしれません」 ...
いま絵本は、子どもだけでなく大人も心揺さぶられる文学・美術作品として認められてきています。しかし「絵本」と聞くだけで、子どものものと捉える人は少なくありません。そんな中、絵本作家いわさきちひろさんの長男で「安曇野ちひろ美術館」の館長や絵本学会会長を務 ...